10月28日愛知県稲沢市で中部奇術連合主催のワンデーコンベンションに参加しました。
コンベンションではマジックのコンテストがあり、マジシャンが競い合いました。
私の教え子の愛知教育大学ダンス部と、愛知教育大学ダンスサークル飛燕の子も、ダンスにマジックを取り入れて出場したのでそれも含めて感想を書きます。
愛知教育大学ダンス部(創作ダンス)
主人公の女の子が妖精の力を借りて魔法を覚えていくというストーリーです。現象だけでいうと、最初は箒やバラのマジックで失敗し、ハンカチが飛んで箒の棒が浮き、衣装が変わって大量のパラソルが出てくるという感じで、「空、飛び立つ」というテーマに絞って現象を詰めました。
私がマジックの指導をしたのですが、マジックの割合が難しかったです。マジックが多すぎるとダンスの動きに制限が出てしまうし、ダンスが多すぎるとマジックが見えにくくなってしまう。
悩みに悩みましたが、ダンス部なのでダンスを伸び伸びと踊ってほしいという思いから、マジックの仕込みは必要最低限にして極力ストレスを減らし、ここぞという時にだけマジックをするという構成にしました。
皆さんマジックを始めて2か月くらいですが、たくさん練習して本番ではどの練習よりも輝いていて、泣きそうになってしまいました。
福田 大晃さん(ダンスカードマニピュレーション)
ダンス部は創作ダンスなので綺麗な雰囲気や動きでしたが、福田さんはヒップホップやブレイクダンスなどのカッコいいクールなスタイルです。
こちらも私がマジックの指導をしましたが、カードを一から初めての方に教えるのはめちゃくちゃ難しいですね。自分もカードはあまり教えたことがないので試行錯誤しながらという感じでした。
教わる側のマジックの知識が全くないので、良い意味で常識をくつがえされました。そんな動きでやるんだーとか、そういう風に見せるんだーとかダンサー視点の新しい発見が色々あったので、それらを大切にしながら、マジックの常識に固執しないよう構成しました。
そして結果は…マジック部分よりダンスソロパートが一番盛り上がっていました笑。マジックなしで体1つで拍手がもらえるってそれだけで才能なので羨ましいです。
ささきくちさん(しっとりカード)
今まで噂は伺ってましたが生で見るのは初めてでした。カードが紙吹雪になったり紙吹雪がカードになったり、色は白で統一でテーマが一貫していてわかりやすかったです。
技は基本的には出現と消失ですが、そういったシンプルな現象を上手くやるのが一番不思議に見えますね。タネわからないランキングでは一番でした。あらためを強調していてまさか…というところでカードを出したり消したりして凄かったです。
あと、本人普段めっちゃ面白いのに舞台に立つとしっとりカード。こういうギャップって面白いですよね。
岡村 真衣さん(和風)
ミス伊勢志摩のマジシャンまいさんです。いつもの学生風の演技かと思ったら何と着物を着て和風手品。突然のイメージチェンジにびっくりでした。
前半の何をするんだろう…という期待感や予測不能な現象が印象的でした。
でも何より、まいさん自身の魅力がすごく伝わってきました。舞台に立っているだけでオーラを放てるってアドバンテージですね。今後の新しい和風手品のアイデアをお聞きしましたがとても面白そうなので完成を楽しみにしています!
三木 綾乃さん(シンブル)
以前から生でも何度か演技を拝見しましたが、今回はノーミスで今までで一番良かったと思います。シンブルという小さい道具を使っていますが、体の動きとかで大きく見せています。
ただの1つのシンブルが指から指へ移動するという現象、普通なら簡単だし地味なのでパッとやってしまいがちですが、三木さんの場合はゆっくり歩きながら一回転して移動。地味な技でもちゃんと大切にしていて…他にも随所にそういったこだわりがにじみ出ていました。
コンテスト結果は3位で、演技全体の雰囲気がとても好きなので受賞できておじさん嬉しいです。
小島 海さん(扇子)
以前も少し紹介しましたが、演技の雰囲気が変わっていたのであらためて。
相変わらず扇子の超絶技巧が冴えていて、扇子がいつの間にか色変わってたり、突然花に変わったり新たな技も追加されていました。技の破壊力は個人的には海さんが一番でした。
肝心の演技の雰囲気についてですが、曲変更により前より切ないテーマは伝わりましたが、今後の選曲によっては更なる進化を遂げる…という感じでした。私は曲から技を考える派なので、すでに至高の技を持っている海さんが羨ましいです。
石津 さん(ダンディーマニピュレーション)
コンテスト2位のダンディーなおじさんです。おじさんおばさんの方って基本的にクラシックや既製品のネタが多いという偏見を持っていましたが…ゴリゴリのマニピュレーションでした。笑
カード、ボール、バラ、たばこというクラシックなアイテムですが、やってることはかなり挑戦的でした。おお…そこでスリービングするのか…という感じで若いマジシャンでも楽しめる演技だったと思います。
熟練の技でコンテスタントの中でも技の安定感が抜群で、とても渋かったです。おじさんになったらああいう感じで演技をしたいと思いました。
鈴木 駿さん(カード、ボール、音)
少し前に演技を新しくしていて学生マジック選手権でも優勝したと聞いていたので、すごく楽しみにしていました。楽屋で「あまり期待しすぎると良くない」と言われましたが期待を上回る演技でした。
音楽と現象がリンクしており、登場の瞬間からオッと思わせる演出でした。その後も期待を裏切らない安定感と面白い見せ方で、最後のポーズもバシッと決まっていました。
本人は不思議さがあまりないと嘆いていましたが、不思議さに頼らずオープニング、見せ場、フィニッシュを大切にする基本的な構成、そして面白いアイデアが既にできているので、今後いくらでも伸びると思います。
そしてコンテストは鈴木さんが見事優勝を飾りました。
久しぶりの国内コンテストで、教え子が出るということもあり緊張もありましたが、教え子が楽しく演技をし、他のコンテスタントの素晴らしい演技から刺激をもらったりでとても楽しかったです。
自分のコンテストは落ち着いたので、今後は観客として気楽にコンテストを楽しみたいと思います。
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