12月2日(土)ソフィア堺で関西大学文化会奇術研究部の第56回学外発表会「Nachtナハト」を観てきました。久しぶりに後輩たちの発表会を観たので色々懐かしかったです。
さて、一人ずつ演技の紹介をさせていただきます。
パラソル
とても練習されているようで、演者もアシスタントも堂々と演技されていました。特にミスもなくわかりやすく安定した演技で、後ろにいたお客さんも傘が出るたびに「おー」と驚いていました。
発表会のオープニングらしく、色とりどりのパラソルを出していくスタイルで、始まりを華やかに彩っていました。西日本学生選抜のショー「アンタイトルドコンサート」への出場も決まっているそうで、選抜されるのも納得の演技でした。
あと、楽屋での雰囲気やアシスタントへの接し方からとっても優しい好青年なのだなーという印象を受けました。演技にもそういった人柄がにじみ出ていたような気がします。
シンブル
関大のシンブルは近年レベルが高い印象があり、その技術が受け継がれているのか、久しぶりに関大シンブルで「アンタイ」出場が決まった演者です。
元々ある技術を上手く現代風にアレンジした演技で、意表を突くカラーチェンジの現象に自信ありといった手順、次は何をするのだろうと好奇心を絶えさせず観ることができました。
少しミスはありましたが、安定感はあるので、アンタイでは成功することを祈っています。
ローズ
最初、クマのぬいぐるみを持った少女のシルエットが映り、スポットライトがつくまでクマと戯れているシーンで一気に心を持っていかれました。
ライトがつく前からそういった仕草でキャラクターやテーマを伝えるアイデアがとても素晴らしいと思いました。
最後のクライマックスの現象は完全に騙されました。何度か見たことある現象だったのですが…久しぶりの発表会だったので、やっぱり手品を見る目にブランクがありますね。笑
以前、練習を見に行った時はぬいぐるみはテーブルに置いてあるだけだったので、ぬいぐるみ意味あるのかな…と思いましたが、短い期間でぬいぐるみに関連した現象やストーリーを付け加えたことで、演技が格段にレベルアップしていました。あと可愛かったです。
ダンシングケーン
星をテーマにした演技で、ダンケン、照明、衣装などしっかりと星に関連付けることで大げさなジェスチャーを加えなくともちゃんとテーマが伝わりました。
ノーミスで安定感抜群の演技でした。
ハト
片目だけのメガネをかけた紳士風の演技です。ダイヤモンドが鳩になるというテーマを忠実に守って好印象な演技でした。
最後曲ピタがバシッと決まってさらに演技の印象があがりました。やっぱり演技の終わりがしっかりしてると全体が引き締まりますね。
練習を見に行った時は、テーマ設定に悩んでいましたが本番までにたくさん練習したようで…特にミスもなく素敵な演技をみせてくれました。
ロープ
曲の始まりが何か面白くて、コメディテイストな演技に周りの人も笑いながら楽しんで演技を見ることができました。
コメディマジックは、お笑いに厳しい関西で演じるにはハードルが高く、さらに学生で演じている人は少ないので、参考にできる先輩も少なく、練習が大変だったと思いますがちゃんと形にできていたと思います。
終わり方も面白かったです。
扇子
セクシーな燕尾衣装でのかっこいい扇子の演技でした。
1つひとつの現象を丁寧にやっていて凄く見やすかったです。意外と演技で自分が何をしているのかを伝えるのって難しいのですが、発表会の中でも伝えるレベルが高かったと思います。
また、現象も徐々に派手になっていくというセオリーをしっかり守っていたので、そういった基本的な知識も後輩たちに伝えていってほしいです。
マネー
赤いワンピースを買うためにお金を貯めるというテーマの演技です。
伝えるのが難しいストーリーをわかりやすく説明できていたし、現象もちゃんと理に適っていて良かったです。あと可愛かったです。
ピラミッド
関大の演目でピラミッドを観るのは初めてでした。過去にやっている先輩もいない中、基礎をしっかりマスターし、ピラミッドらしい華やかな演技をしていました。
途中でピラミッドが二つに増えるという現象があり、タネがわからなかったのでビックリしました。
ボール
花とボールを使ったシンプルな演技でしたが、やっていることはとてもテクニカルで難しい手順でした。
昨年の演者もとても技術重視の演技だったのでその精神がちゃんと受け継がれたのか、もっと難しくなっていた気がします。笑
ストーリーやテーマを設定する演者が多い中、純粋なテクニックルーティンは発表会の中でとても輝いていたと思います。
ゾンビボール
白雪姫をテーマにした演技で、りんごを浮かしていました。
ゾンビボールは設定をつけられることが多いですが、りんごのアイデアは面白いなーと思いました。途中で毒リンゴに変わって曲調だけでなく動きも変わるところもエモかったです。
スケッチブック
スケッチブックの演技は現象が予想しやすいですが、上手く工夫してお客さんの意表を突いていました。
特に服の色が変わるところはタイミングが予想できず完全に騙されました。ミスもなくまとまって完成していたと思います。なんとなく、マジックが好きなんだなーという演者の気持ちが伝わるような演技でした。
ワイン
ゴージャスな衣装に身を包んだ演技でワインの様々な現象を上手くまとめていたと思います。個人的に衣装は発表会の中でトップクラスに好きでした。
最後の大きなワイングラスは初めて見ましたが…あんな大きいの売ってるんですね。あと可愛かったです。
ウォンド
ウォンドの最新情報や技術を知らないので、挑戦的な演技に普通に凄いと思いました。
カラーチェンジあんな回数できるのか…とか最後両方消えるんだ…とか学生マジックのウォンドの技術発展に驚きました。
一応私もウォンドをやっているにも関わらず全然教えることができなかったですが、ウォンド族の絆ということで写真を一緒にとりました。
新しいことにチャレンジしていくその姿勢を是非後輩たちに伝えていってほしいです。
カード
ランプの光がカードになるというテーマの演技です。光がところどころでてきて、その状態でカードをやっているので演技の難易度が非常に高い印象を受けました。
ボールと同じく技術推しの演技って、見てて何となく難しさがわかるので面白いです。本番は結構調子が良かったそうで、今回の発表会は他の方も自己ベスト率が高かったみたいで良かったです。
フラッグ
フラッグは絶対に自分が演じたくない演目でした。セットがすごく大変そうだし、道具の暴発、不発率も高いし、その割には不思議じゃないし…しかし、この演技は私の常識を覆しました。
発表会の中で一番不思議だったと思います。まさかフラッグで自分が驚くとは思ってなったので完全に不意を突かれました。
あんなに大きな旗をどこに隠してたのかと思うくらい綺麗に出現させて、さらにタネも感じさせない堂々とした立ち振る舞いで演者自身もとっても輝いていました。
また、曲や間の使い方もかなり独特でオリジナルな存在感を放っていました。本当に、難しい演目であるフラッグのハンデを感じさせない完成度で素敵な演技だったと思います。
ディスク
ディスクは昨年の演者がかなり活躍しているので、その弟子ということで期待していました。期待通り、不思議さと技術、魅せ方を兼ね備えた演技で「アンタイ」出場も納得の演技です。
全体的な演技の完成度が高すぎてアンタイまでのアドバイスで特に言うことがないので、照明が暗かったと本人に言って先輩風を吹かせました。笑
マスク
部長をやりながら演技もするという大役を務めて、部長らしい安定したカッコいい演技を披露していました。
高身長イケメンを敢えてマスクで隠すという憎い演出です。現象が凄いというより、本当に演者自身に魅力を感じるような演技でした。
当日、体調がすぐれなかったらしいですが、そんなことを感じさせずに部長としての役目を果たしていたと思います。お疲れ様でした。
和妻
発表会中、最も低身長ながら3人で大迫力の和妻を演じていました。
練習を見に行った際は、 和妻にしては難易度が高めで、でも技術が追いついていなくて本番までに間に合うかと不安になりましたが、本番では発表会の大トリとして圧巻のパフォーマンスを披露していました。
ちっちゃい体で大きな傘を開く姿は、見た目には表れない心や芯の強さがにじみ出ていてエモかったです。あと可愛かったです。
司会
ストーリーはラブストーリーで、幕間の度にめっちゃ少しずつ仲が進展していくという感じでした。女性がツンデレ設定で面白かったし可愛かったです。男性役が羨ましい…。
まだつづきがあるような終わり方で、是非来年もシーズン2をやってほしいと思いました。
全体
奇術部の発表会は凄腕マジシャンが集まって凄い演技を披露する場…ではなく自分たちが部活を通して得た様々な経験の集大成だと思います。
今回、本番は勿論、本番前の練習や、当日の楽屋、スタッフの気遣い等、様々なところで関大奇術部としての努力の成果が見えてきました。
発表会は、本番の演技のことに限らず、それまでの練習や、友情、恋愛など苦労したことも嬉しかったことも部活としては一度区切りがつきます。
発表会を通して、それまでの一年間の全力を魅せてくれて本当に感動しました。これからも頑張ってください。お疲れ様でした。
私も関大OBとして、現役生から元気とパワーをもらって頑張ります!
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